
どうも、愛書狂です。
今日の記事はこのご時世で反感を買ってしまうかもしれません。
コロナウイルスの蔓延で飲食店等が倒産していく可能性が高いですが、これは逆に人類が本当の幸福を追求するためにはいい面もあるのではないか?と思っています。
つまり大量にモノやサービスを売ることをやめ、みんなが本当の意味で豊かなで社会で幸福な暮らしができるんじゃないかと思います。
では、本当の意味で豊かな社会で幸福な暮らしとは?となりますが、キーワードは『脱超消費主義社会』。
アドラー、秋山真之、岡潔・・・。僕が学生時代に読んだ本の中で影響を受けた人の一人、ホセ・ムヒカ大統領のスピーチを紹介します。
目次
世界でもっとも貧乏な大統領の話
僕が大学生の時に影響を受けた人の一人に、ホセ・ムヒカという人物がいます。
この方はウルグアイの大統領を務めた方ですが、『世界でもっとも貧乏な大統領』と呼ばれています。
大統領官邸に住むことを拒み、首都モンテビデオ郊外の、妻が所有する小さな農場で暮らした。大統領の住まいは《倒れそうな農場》(2012年11月15日付BBCニュースマガジンより)。家は常緑樹に半分覆われた小さな平屋で、部屋は3つだけ。
個人資産は、件のBBCニュースマガジンによると、2010年に確定申告した際には愛車分のわずか1800ドル(約29万円)。
世界でもっとも貧乏な大統領と呼ばれるこの方には、自身の人生哲学があったためです。
彼の思想の根幹には、『反消費主義』があります。
社会主義的な思想ですが、僕はこの考えにとても共感しました。
ホセ・ムヒカの“伝説のスピーチ”
2012年に開催されたブラジルのリオ・デ・ジャネイロでの国連会議「持続可能な開発会議(Rio+20)」(以下リオ会議)において、伝説のスピーチとまで言われるスピーチがホセ・ムヒカによって行われました。
長いですが、一部を引用します。このブログの読者の方であれば、はっとするような言葉、胸に刺さる言葉が多くあるはずです。
ホセ・ムヒカの問い
まずは、ホセ・ムヒカの問いかけを見てみましょう。
あなたはこの問いかけに自信をもって答えられますか?
午後からずっと話されていたことは、「持続可能な発展と世界の貧困をなくすこと」でした。けれども、私たちの本音は何なのでしょうか。 現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することなのでしょうか。
質問をさせてください。 ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのでしょうか。 息をするための酸素がどれくらい残るのでしょうか。
同じ質問を別の言い方でしましょう。西洋の富裕社会が持つ傲慢な消費を、世界の70億から80億の人ができると思いますか。そんな原料がこの地球にあるのでしょうか。可能ですか。
ホセ・ムヒカの提案
なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか。
マーケット経済の子供、資本主義の子供達、つまり私たちが、間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作ってきたのです。私たちがグローバリゼーションをこんとろーるしていますか。グローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか。
このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で、「みんなで世界をよくしていこう」といった共存共栄な議論はできるのでしょうか。
どこまでが仲間で、どこからがライバルなのですか。
現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。
ハイパー消費が世界を壊しているにもかかわらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。
コロナウイルスが蔓延する今こそ考えたい、ムヒカの考え
消費が社会のモーターになっている世界では、私たちは消費をひたすら早く、多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば“不況のおばけ”がみんなの前に現れるのです。
人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいることにお気づきでしょうか。
石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。
『貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ。』
見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルだということ。
ホセ・ムヒカの主張
私の言っていることはとてもシンプルなものですよ。
発展は幸福を阻害する物であってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。
愛を育むこと、人間関係を築くこと、子どもを育てること、友達をもつこと、そして必要最低限の物をもつこと。
発展は、これらをもたらすべきなのです。
幸福が私たちのもっとも大切な物だからです。
おわりに
昨年までは大変な好景気でした。つい数カ月前までも日経平均株価は上がり調子で、2万4000円に達するかというところでしたし、ダウ工業株平均も3万ドル間近というところでした。
この好景気が生み出したものは、人類がコントロールを失った消費社会と、人々のハイパー消費です。
世界は、景気をよくするためにホセ・ムヒカの言う幸福を阻害する消費の悪魔を生み出してしまったのではないでしょうか。